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執筆者の写真デボラ・デラックス

ガリラヤ湖part3

かの(??)お舟、ウレタンフォームでしゅらしゅしゅしゅ

1986年、イスラエルが深刻な干ばつに襲われたこの年に、思いがけないギフトが与えられました。

イエスの時代に使われていた木製の古代船です。じゃーん。


ギノサールのキブツ(農業を中心に共同生活を送る共同体のこと)で漁師として働いていたルファン兄弟が、干ばつで干上がったガリラヤ湖岸の泥の中から見つけたものです。


結構、デカいですよ。長さ8.2m、幅2.3m、高さ1.2m位とのこと。


このご兄弟、結構な考古学オタクだったみたいで…干ばつを狙ってお宝探しをしていたら本当に当てちゃったって、夢みたいなお話。


が、お後が大変でした。ギャラリーが山ほど集まって出店まで出る騒ぎ。おまけにお舟にはお宝が積んであるとか、いやいやお舟自体が金でできているとかアヤしい噂が広まり、24時間厳戒保護態勢をひかなくてはいけなくなったんです。


本当に金製だったら良かったのですが、残念ながらお舟は木製でした。長時間水に浸かっており、たいそう脆い状態です。それを壊さず、しかも再び水位が上がるまでの間に運び出さなくてはいけません。タイムリミットも、限られていました。


そうした困難な状況の中手探りで泥の中からの発掘が始まったんですが、その時、突然の土砂降りのあとキレイな虹が出たそうで。


発掘チームは「神からのゴーサインだ!」と喜んだそうです。


たまたまイエスの時代のお舟だってだけで、神がゴーサイン出すような代物とは限んないと思いますけど(多分違いますけど)、彼らの脳内ではペテロが魚釣るのに使ってた奴とか、イエスがガリラヤ湖の嵐を叱りつけた時の奴とかになってたんでしょうね。


お舟は慎重に泥の中から掘り出された後グラスファイバーとポリウレタンでもこもこに保護され、再びガリラヤ湖に浮かべて運び出されることになりました。こんなんこんなん。

※wikipedia「Sea of Galilee Boat」より引用。


補強と腐敗防止のために、蝋を含む保護液プールの中に長期間漬けられ、その後ゆっくりと乾燥させられました。保護にかかった総工数、「14年」です!


保護するだけでも大事業なのに、 イエスの時代の木製のお舟だってことが分かって、お金いくらでも払うからちょーだいとかごねくりまわす奴※まで現れたとか。ほんと、大変だったみたいです。


すったもんだがありましたが、2000年、お舟はめでたくイーガルアロンセンターにてお披露目されることに相成ったわけです。


ふー。


大体12種類の木材でできています。大部分は杉ですが、所々違うのも。使い分けに特にポリシーは感じません。故障したところに木材を継ぎ足し継ぎ足し修理して丁寧に使ったんじゃないかと。数十年から100年近く使われたみたいですよ。

ローマ時代の舟のモザイクが残ってまして、それによると現役時代は5~6人乗りでオールで漕ぐものでだったようです。


漁に使われたかも知れないし、戦時の輸送船だったかも知れないし、それこそイエスが伝道にも使ったかも…


さて、このお舟の発見により大きく変わったものが一つあります。


ガリラヤ湖の遊覧船です!

その昔はほんと、モロ観光客向けの遊覧船って感じだったそうですが(あの白鳥のおまるみたいなやつもあったんですかねー)、今は随分と「ソレっぽく」なっています。


あ、手漕ぎしなくてもいいですよ。エンジンついてますから。


遊覧船に乗るとその国の国歌をかけて国旗を揚げて歓迎してくれます。パンの残りとか持ってくと、カモメの餌付けを楽しめます(糞も同時に降ってきます)。カモメも承知してるみたいで、船見ると寄ってきますねw


遊覧船の上は湖の風が心地よくて爽やかで、湖面に眩しく反射する日光がとてもきれい。この空気感はきっと、イエスの時代そのままです。


※バチカン


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