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執筆者の写真デボラ・デラックス

マグダラpart1

マリリンとお泊り♡できるシナゴーグ

※STAIR SAINTYより「Murillo­ Bartolomé Esteban/The Penitent Magdalen」より引用。


日本で言うと京都なんかがそうなんでしょうけど、うっかりもの建てられないんですよねー。


古い土地あるあるで、掘るとなんかしら「出ちゃう」んですよ。埋蔵文化財として市町村に届け出なきゃだし、一通りの調査が終わるまで工事はお預け。下手に貴重なもんが当たったら、建築そのものを諦めさせられる羽目に。金返せよ…


イスラエルにも、そんな悲喜劇は当然ございます。その中でも最大級のをご紹介。


フアン・ソラナという坊さんがいて、エルサレムの巡礼者向け宿泊施設の所長さんなんですけど、エルサレムの次はやっぱガリラヤ進出よね、ガリラヤにも似たようなのほしーって思ってたんです。そしたら土地が売り出されて。金かき集めて買ったんです。


2009年に着工したんですけど、イスラエルでは工事を行う前になんか変なの埋まってないかプレ発掘を行うことが(当然)義務付けられてまして。さっさと終われ安上がりに終われって祈りも空しく「出ちゃった」んです。それも30cm位の結構浅いとこで、エラいのが。


丁度イエスが生きてた時代のシナゴークです。この時代のシナゴーグ跡って、6つしかないんです。しかも、ぶっ飛んだお宝が付いてました(後述しますね)。


加えて、場所がまた悪かった…


「マグダラ」なんですね。


マグダラ、と言えばあのマグダラのマリアの出身地。娼婦とされてますけど、聖書の女性キャラの中では母ちゃんのマリアの次に大物のあの彼女です。


欧米人の名前にも良く使われてますよ。


ドイツのマレーネ(ディートリッヒ)、スウェーデンのマデレーン(ELLEの表紙になった美人王女)、イタリアのマレーナ(モニカ・ベルッチ主演映画)、英語圏のマリリン(モンロー)、マデリン(ストウ)これ全部、マグダラのマリアから来た名前です!

※wikipedia 「七年目の浮気」より引用。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E5%B9%B4%E7%9B%AE%E3%81%AE%E6%B5%AE%E6%B0%97


まあ、、、確かにイイ感じの素材なんで宗教画にも描かれまくってます(^^;)冒頭の絵にあるように、髑髏とか香油の入った壺とか十字架とかをそばに置いて、赤いもんかぶって(時には半裸)空見上げてる、中東の女性とは思えない豊かな金髪or赤毛の女性がいたら彼女です。


私、すっかり騙されて彼女はローマ辺りからの流れ者かと思ってました。パツキン武器に荒稼ぎしてたのかなーって。


全然違ったし…(恥


マグダラって、ガリラヤ湖畔に実在する地名だったんですね。源氏名とかじゃなかったんですね。彼女、めっちゃ地元民だったんですね。イスラエルに旅行して初めて知った(〃ノωノ)


娼婦、あるいは罪深い女(聖母マリアがThe VirginならマグダラのマリアはThe Sinnerなんつって対比されています。酷い…)として認識されているマグダラのマリアですが、彼女が本当に娼婦だったかどうかは聖書には明言されてません。


てか、4つの福音書の中で確実にマグダラのマリアの存在が示唆されているのって、イエスが死んだときに遺体に香油を塗ったとか復活に立ち会った、っていうの位ですかね。


後はルカが「イエスに悪霊を追い出してもらったことがある」ってちらっと言っているのと、ヨハネの福音書にある、復活したイエスを見たマグダラのマリアが思わず「えー先生まじでー」って駆け寄ったら「あ、まだ、天のお父さんのとこ行ってないから触っちゃだめ」って塩対応されたって話があるかなあ。


ちなみにヨハネのこのシーン、宗教画の画題として、結構描かれまくっています。

※wikipedia 「ノリ・メ・タンゲレ」より引用。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AC


うーん。でも、イエスに悪霊おん出してもらって、復活に立ち会って…それだけなのに何で娼婦なんでしょうね?


福音書の中には、イエスの足を涙で濡らして香油を塗って髪の毛で拭いた罪深い女、とか、姦淫を犯したとして石投げつけられている女、とか、確かに娼婦臭がする女が出てきますよね。で、何故かそれらがマグダラのマリアと同一視されているのですね。


理由は…よくわかんなーい、そうです。


香油つながりから罪深い女につながりになっちゃった、って、それだけのような気がしますけど、、、ちなみにマグダラのマリア娼婦説はカトリック特有で、ギリシャ正教ではそうしたイメージはないそうです。


でも、「そうじゃないか」という仮説が立てられてしまう理由の一つには、マグダラの町がとても豊かで人口が多かったってことが挙げられるんじゃないでしょうか。じゃなきゃ商売できませんから。


さて、前置きはこんなもんにして、実際にどんなもんか見てみましょう!


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